企業ポータル

企業内の膨大なデータの中から必要な情報へたどり着くために、SNS、社内のファイルシステム、顧客管理システム(CRM)や基幹システム(ERPなど)と連携しながら、顧客や従業員に対して、企業におけるすべての情報への入口を提供するEnterprise Information Portal(EIP)が注目されています。 単なる情報共有やナレッジ・マネージメントの実現ではなく、EIPを企業システムの統合プラットフォームと位置づけて、顧客と社内への情報提供サービスの質、量、スピードを向上させる取り組みを始める企業が増えてきました。社内外に対してEIPの一貫性のあるユーザインターフェースを利用して、質の高い情報を迅速に提供することが企業の競争力を高めるために、ますます重要になってきました。

ソーシャルアプリケーションプラットフォーム

Liferay Portalは、WebアプリケーションやWebサイト、ポータルを作るための優秀なプラットフォームを提供します。さらに、"ソーシャルアプリケーション"と呼ばれているWebアプリケーションの新しいカテゴリに対してもLiferay Portalは使用できます。ソーシャルアプリケーションとはWebアプリケーションであり、ソーシャルアイデンティティやデータ、特徴、もしくはサービスを活用します。左の図では、水色の四角は規定のWebアプリケーションの定義を表し、濃い青の四角は追加のソーシャルアスペクトを表します。最初に(中央)、規定のWebアプリケーションはユーザインターフェイス(UI)から成り立ち、アプリケーションロジックにアクセスするように構築されています。次に(左)、Webアプリケーションはしばしばフォーマルアイデンティティポリシーによる影響を受けています。三つ目に(下)、アプリケーションは格納されているデータや、現在ログインしているユーザの個別のデータにアクセスすることができます。最後に(右)、Webアプリケーションはしばしば外部のサービスへのインタフェースを持っており、外部のシステムを使ってビジネスロジックの一部として構築されます。近年ではどのWebアプリケーションもソーシャルアプリケーションとして構築されており、ユーザの生産性を向上させています。Liferayは、ソーシャルアプリケーションを実装するための様々な重要な特徴を持っています。

近年ではどのWebアプリケーションもソーシャルアプリケーションとして構築されており、ユーザの生産性を向上させています。Liferayは、ソーシャルアプリケーションを実装するための様々な重要な特徴を持っています。

 

フォーマルアイデンティティに付加したソーシャルアイデンティティの活用

企業ではよくアクセス管理を容易にするためのエンタープライズ・ワイドシステムアーキテクチャを実装しています。アプリケーションは中央のリポジトリからユーザアイデンティティへアクセスするように定義されています。アイデンティティマネジメントソフトウェアはこの情報を更新するのに使用されます。このタイプのアーキテクチャでは、莫大で変動するアプリケーションにアクセスする同じく莫大で変動するユーザを管理するのを容易にします。さらにすべてのアカウントが中央で管理され、全てのアクセスが中央で監査されるように、監査とコンプライアンスを可能にします。

右の図表は、Bob Smithがどのように彼のフォーマルアイデンティティとソーシャルアイデンティティが特定されるかを表しています。Bob SmithはEngineering OrganizationやCore Engineering、Team Project X Groupの一員であることを証明するフォーマルアイデンティティを持っています。また彼はマネージャーとしての付加的役割も持っています。このフォーマルアイデンティティは、ポリシーによって定義され、管理者により実装され、しばしばSOXコンプライアンスにより統制されています。

 

 

 

 

フォーマルアイデンティティをいくつかの方法(例、シンプルなアクセス制御、ノード特定のアクセス制御、ロールベースのコンテンツ配信、ワークフローアクセス)で活用するために、標準のWebアプリケーションの開発が可能です。しかし、ユーザはフォーマルアイデンティティで特定されるよりも、トップダウンアイデンティティで定義される、ソーシャルアイデンティティでも特定することができます。"ソーシャルアイデンティティ"は個人の自己識別のフレンドやグループ、またはコミュニティの定義です。またソーシャルアプリケーションは、個人のソーシャルアイデンティティをいくつかの方法(例、activity streams、サブグループ化、アクセスの許可、アクセスの制限、委任)で活用します。左の図では、Bobはソーシャルコラボレーションサイトにアクセスでき、彼の友人とのネットワークはSteveやJoeのものとは違います。アクティビティやアプリケーションは、Bobの友人とのネットワーク内で彼がアクセス許可をした場合は、他人でも利用可能となり、全ての人がアプリケーションやコンテンツの使用が許可されます。コミュニティそのものがソーシャルアプリケーションである一方で、アプリケーションのコミュニティ内での利用も、データスコープによってはソーシャルアプリケーションとなります(下記を参照)。

データスコープの拡大によるソーシャルデータの活用

ソーシャルアプリケーションはしばしばデータスコープを持つように設計されています。データスコープは一般的なスコープをもつか、または個人のソーシャルアイデンティティに基づいて制限されているかになります。図表では、左のアプリケーションは標準のWebアプリケーションであり、右のものはソーシャルアプリケーションです。標準のWebアプリケーションはアプリケーションデータを持ちますが、Bobは彼自身のアプリケーションデータしか見ることができません。例えば、カレンダーアプリケーションでBobがイベントを作成します。しかしSteveはそのBobの作ったイベントを見ることはできませんし、その逆もまた同様です。仮にBobがソーシャルアプリケーションにアクセスした際は、Project Yのメンバーすべてに関わる情報と同様に彼自身に関するデータは見ることができます。例として、チームのカレンダーではメンバー全員がイベントを作成することができ、個々人で他のメンバー全員が作成したイベントを見ることができます。データスコープを拡大することで、個人の自己定義されたグループが、チームかグループのアプリケーションで作動することができます。.

 

ソーシャルアプリケーション内での既存のソーシャル機能とサービス活用

ソーシャルアプリケーションは、ソーシャルアプリケーションプラットフォームで利用可能な既存のソーシャル機能やサービスを使って開発することができます。例えば、ソーシャルアプリケーションは既存の共有ドキュメントライブラリやRSS登録サービス、wikiなどを含んでいます。Liferayはコラボレーション機能を持ったたくさんのアプリケーション/機能を提供し、開発しているアプリケーションのためのユースケースに組み込むことが可能です。これらのサービスは下記に表示されているカテゴリにグループ分けできます。リンクを追加するよりも簡単に、ソーシャルアプリケーション内でサービスにすることができます。ポータルは一つ以上のWebページにグループ化できる特徴があるモジュールのセットから、アプリケーションを構築することができるので、そのことはにアプリケーションをカスタマイズ可能にするのと同時にアプリケーションの機能向上を簡易化するのに役立ちます。

 

OpenSocialコンテナとしてのLiferay

ソーシャルアプリケーションは、独自のソーシャルリポジトリあるいはソーシャルアイデンティティのための中央のリポジトリを両方活用することができます。 Liferay 6.0ではOpenSocialを実装しています。OpenSocialはソーシャルアイデンティティを格納し、アクセスする一般的なメソッドと共に、ガジェットとウィジェットを運用する方法を定義しています。これによって企業がLiferayをソーシャルアイデンティティ情報のための権限をもったソースとして使用することができるようになります。Liferayを一回へインストールするだけで、企業のユーザはプロフィールページを作成したり、フレンドネットワークを開発したり、新しくコミュニティを作成して管理したり、他のコミュニティへ参加することができるようになります。このソーシャルデータのリポジトリは、同じLiferay Portal内にインストールされたアプリケーションでも使用することができます。

 

 

 

 

 

中央集権的なソーシャルアイデンティティリポジトリとしてのLiferay

さらに、LiferayはOpenSocialスタンダードを活用し、フレンドネットワークの定義を外部に置くため、一つのLiferayの導入は、左の図のようにソーシャルネットワークデータのためのマスタリポジトリとして活用されます。OpenSocialをサポートするアプリケーションは、このLiferayの実装とマスタソーシャルアイデンティティリポジトリの活用を指します。この方法の導入した企業は、ソーシャルデータのための単一IdMリポジトリの開発が可能となり、単一ソースの共同の定義(と監査)を可能になります。